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ごく普通の日本人が出逢った外資系企業の世界 2.0

日用品・化粧品・IT業界における外資系企業での経験を通して学んだことをまとめたサイトです。某電子書籍サイトで「2011年秋のビジネス書厳選5冊」に選ばれた拙著「世界基準のビジネススキル - ごく普通の日本人が出逢った外資系企業の世界」はamazonのkindleunlimitedにて無料で読んで頂くことができます。

ファイナンスマネージャーの創造的魅力

私は昔からクリエイティブな才能を持つ人に憧れを感じてきました。音楽、絵画、小説、映像、etc, etc... ただ一方で、私自身にはクリエイティブな才能がかけらもありません。音楽に取り組んでみたこともあり、何度かバンドを組んでライブやストリートもやってみましたが、その度に自分の才能の無さにがっかりしてきました。

そんな中、私がこれまで20年を超えてファイナンスマネージャーの仕事を楽しんで来られたのは、私なりの創造性・クリエイティビティをこの仕事を通じて体感して来られたからではないかと思います。

ファイナンスマネージャーの役割は、 「あらゆるビジネス環境を考慮し、優れた収益性を中・長期的に可能にする継続的競合優位性を作り出すために、戦略的に一貫性を持った投資(ヒト・モノ・カネ)の選択と集中を提言していく」ことだと自分なりに定義しています。

誰にでも共通の成功モデルというものはなく、またある時成功したビジネスモデルであっても、時間が経って環境が変われば 使い物にならなくなってしまいます。

考えてみれば、これほど色とりどり要素がつまったパレットってなかなかないわけで、その中で何を重視し、どんな選択肢をもってビジネスモデルを組み上げていくかというのは、まさにクリエイティブな仕事だと思うわけです。

あまり深く考えてファイナンスのキャリアをスタートしたわけではなかったのですが、振り返ってみると、創造性に憧れる創造性のない私が出会った天職の一つだったのかもしれません。

 

転職キャリアブログ 外資系転職・転職活動

人は成長できるという確信

 

このブログのタイトルにもあるように、私自身はもともと外資系企業に縁のあるような人間ではなく、ごく普通の日本人です。大学の時は英会話力皆無、海外に行ったこともありませんでした。それでも社会人になって20数年間、チャレンジの連続の中でもこの外資系企業の世界を楽しめています。その理由の一つは「人は成長できる」という確信に基づく楽観性だと思います。

 

私の社会人人生は、つまづきと克服の繰り返しです。

最初に入社した日用品米系メーカーには、一度試験に落ちています。ただそれが納得いかず、人事の担当者の方に手紙(当時はまだメールとか日常的には使われていませんでした)を書いて、無理やり再試験を経て入れていただいたことが、私のキャリアのスタートでした。入社の際には「お前は同期に比べて1週遅れのスタートなんだから早く追いつけるように頑張れ」と言われて、結構凹みました。なので、最初の数年間はクビにならないように、会社から言われたことに一生懸命取り組みました。

3年目の時、現在某EC企業の社長を務めている当時の上司から、「君には期待していたのに失望した」と言われました。会社から言われたことにはがむしゃらに取り組むが、君自身の創造性やリスクをとってチャレンジしようという気持ちが感じられない、というのが理由でした。それまでクビにならないように、失敗しないようにとやってきたことが、逆に自分のパフォーマンスの足かせになってきたことに気づいた瞬間でした。それからは、失敗を恐れず、自分が正しいと思うことを貫き通すようになりました。そうすることで、自分自身が成功や失敗の経験から学ぶ機会も増え、結果的に会社からの評価も高まりました。

5年目の時に、初めての部下を持ちました。ただ、その時は自分で手を動かす仕事が楽しく、また組織というものにさほど興味を持っていませんでしたので、正直最初の部下には大したサポートもしてあげられませんでした。その後、29歳の時に初めて海外赴任となり、売掛金を担当する部署で部下を20人以上持つことになりました。そうなると、私一人の力ではどうしようもないことが増えました。そんな時、売掛金回収に関わるミスがチームで発生し、1万件近い顧客との対応に、三日三晩、不眠不休で取り組まなければならない事態となりました。絶え間なく続く顧客との電話対応、その辛さから泣き出す女性社員、阿鼻叫喚の中でも何とかチーム一体となって事態を収束させました。この出来事はキャリアの中で最も辛いものでしたが、この経験を通じて自分一人でできることの限界と、人に頼ることの大切さを心の底から学びました。

13年目の時、2度目の海外赴任で発展途上国を担当しました。配属されたチームに日本人は私一人で、ほとんどがインド人で構成されたチームでした。そこでは、日本でのビジネスで当たり前だと思っていたことが通じず、当時の上司から「お前ではこのビジネスは伸ばせない」と言われました。市場成長率の低い日本市場と、毎年2倍3倍で成長していく発展途上国の市場では、その戦略のあり方が根本的に違っていたからです。当たり前だと思っていた前提条件にもしっかりチャレンジする。それぞれのビジネスケースの特異性を理解してビジネスモデルを成功に向かってカスタマイズ・レバレッジする。こういったビジネスモデル構築のためのアプローチの楽しさと奥深さは、この時の経験を通して学びました。

 

失敗談を挙げはじめると枚挙に暇がありませんが、それらを通じて学び身につけてきたものが、今の私を構成していることは間違いありません。読み返してみると、先日の記事に書いた「転職しても活かせるポータブルスキル」のほとんどが、失敗を経て身につけたものです。そして、そのことに気づいた時から、私は自分のキャリアに関してとても楽観的になれました。成功しても失敗しても前に進むことができるわけで、変化しないこと・挑戦しないことが最大のリスクです。であれば、自分がやりたいこと・正しいと思うことに対して恐れず全力で取り組めば良いのであって、これは本当に精神的にも健全なことだと思います。

 

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転職しても活かせるポータブルスキル

新しく勤務先を変えるということは、全てを一からスタートし直すということではありません。それまでの経験や培ってきたスキルのある部分は、新しいキャリアの中でも活かされさらに伸ばされていきます。コアになるスキルは人それぞれですが、私のキャリアの中でポータブルスキル(会社が変わっても活かせるスキル)だと感じていることを忘備録として残しておきたいと思います。

1)常にビジネスモデル・Activity Systemを意識しながら、戦略的にアプローチすること - どの企業にでも当てはまる成功戦略というものは存在しません。その企業の持つユニークな強み・弱みや事業環境を鑑みて、限られたリソース(ヒト・モノ・カネ)をお互いに相乗効果でレバレッジをかけて、目標達成のために最大限活用していく。特にActivity Systemの理解と活用は、国・会社・カテゴリーなどが変わっても、常に活かされるスキルだと思います。

2)複雑なものをシンプルなストーリー・プロセスに落とし込んでOperatoinalizeすること - どんな高尚な戦略も、チームに伝わらなかったり、日々のOperationの中で具現刺されなければ、絵に描いた餅で終わってしまいます。ビジネスモデルの核となる戦略を理解し、Activity Systemの核となるAction Planを理解し、それをシンプルなストーリー・プロセスに落とし込んでいけるスキルは、チームとして結果を出していくために非常に効果的なスキルとなります。

3)一人一人のチームメンバーとの距離を詰めながら、それぞれの良さを最大限活かすための組織をデザインすること - 同じメンバーが、役割や環境が変わっただけで、そのパフォーマンスが大きく変わる場面を数多く見てきました。各人の強み・弱みや人生の目標、メンバー同士の相性やプライベートで抱えている問題など、可能な限り把握することは、チームのパフォーマンスを改善するための大きな武器となります。

4)厄介なことから逃げたり後回しにしたりせず、きちんと向き合うこと - 組織のことでもビジネスのことでも、厄介なことというのは時間が経つとだんだん大きくなることが多いように思います。小手先で凌ごうとしていると、ボディブローのようにダメージが蓄積して、いつのまにか立ち直れないくらいのダメージを負ってしまうということがありました。たとえ一時的に苦しい思いをしても、厄介なことからは逃げたり後回しにしたりせず、きちんと向き合って解決策に取り組むことが、最終的には良い結果につながります。

5)厳しい局面でも常に意識的に楽観性を保つこと - 「笑う門には福来る」というのは本当で、「意識的に」楽観性を保つことは、個人にとってもチームにとっても良い結果に繋がることが経験上多いように思います。この「意識的に」というのが大切で、何も考えずにただいつも楽観的でいることが良いわけではありません。「悲観は気分の賜物、楽観は意思の賜物」と言います。悲観的になりそうな場面であっても、自分の意思を強く持って、楽観的に振る舞うことが、厳しい局面の中で光明を見出す力になるのではないかと思います。

以上5点は、自分の環境を変えることでさらに磨かれていくスキルでもあります。長いキャリアの中で、知識を積み上げていくだけでなく、こういったソフトスキルを開発し伸ばしていくことで、たとえビジネス環境が変わっても変わらず活躍できる人材に近づくことができるのではないかと思います。

 

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成長スピード>年齢

仕事のアサイメントやキャリアを選択する際に、最も気にかけているのが「自分の市場価値の上昇スピードが、年をとるスピードを上回っているか」ということです。稼ぐ力というのは市場の需要と供給で決まるので、自分が意味のある希少性を保てているかというのは、とても大切です。

現時点で、私のこれまでの経験やスキルというのは、市場である一定の希少価値を持っています。それは、a) 40歳前後の年齢で、b) 世界のトップレベルの外資系企業において、c) 海外駐在・海外ビジネスも含めて、経験を積んできた日本人のファイナンスマネージャーの数が、ニーズに比べてそれほど多くないからです。

しかし、今の20代を見ると、外資系企業でのファイナンスマネージャーを志す人の数も増えています。また、彼ら・彼女らの多くは+アルファのスキル(英語以外の外国語・デジタルスキルなど)を持っています。この年代が40代に向けて経験を積んできた時、50代を迎えた私が今と同様の希少性を労働市場で保てているかというと、それは簡単なことではありません。年齢を重ねても市場で求められる人材であり続けるためには、常に年をとるスピードよりも早く市場価値を高めていく必要があるのです。

そのために、これまで試行錯誤しながらキャリアの選択を考えてきました。最初に勤務した日用品メーカーから化粧品メーカーに転職することで、自分のポジションを上げ、より大きな組織・ビジネスを大きな裁量を持ってリードする経験を得ました。また、次にIT分野の外資系企業に転職することで、大きな視点を持つことを求められるファイナンスマネージャーとしては、特異な優位性を得ることができると考えました。

実はこの間、全く異なった分野で一歩を踏み出そうと考えたこともありました。それは地方創生の分野です。生まれ故郷近くにある過疎の島の再生事業に誘われたことがあり、実際に1ヶ月滞在していろんな人と話したり、島の様子を観察したり、自分なりのビジネスモデルを考えたりもしました。結果的に家族の事情などもあって実際に移住することはありませんでしたが、「ファイナンスマネージャー x 海外経験 x 地方創生」というのは、これからの日本にとってニーズがありかつ特異性を持った選択肢だったのではないかと思っています。もしかすると将来そちらの方に移ることもあるかもしれません。

いずれにせよ、「自分の経験・スキルをスピード感を持って伸ばせる場所」で、「意味のある希少性を持つキャリア」を創り上げていくことは、年齢を重ねても充実した仕事を続けていくための重要な要素ではないかと思います。

 

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AI進化の先にある差別化スキル

先日マイクロソフトSkype翻訳に日本語が追加されました。AIによる翻訳機能は今後も加速度的に進化していくので、近い将来、英語を習得する必要性は低下し、むしろAIが理解しやすい日本語を話すスキルの習得が求められるかもしれません。

人生に必要な算数・数学の計算は、人間がするより機械に任せたほうが速くて正確です。知識はgoogle先生に聞けば大抵のことは事足りますし、その信頼性とカバレッジが進化するとともに、その依存度も高まっていくでしょう。

さらにAIがAI自身を自己進化させるようになると、未来を描く役割までAIによって担われるようになる。そんな世の中で生きていく私たちや私たちの子供・孫の世界では、何がビジネス上の差別化スキルになっていくのか・・・。

なんてことを漠然と心に留めながら、自分自身のキャリアづくりや子供の教育をやってきたつもりなのですが、どうやら状況はそんなものよりもずっと先に行ってしまっているようです・・・。

脳をデジタル化して他人にコピペできるようになれば、全員が10数年かけて学校教育等を受ける必要がない!? AI自身が富を生み出すので基本的に働く必要はない!? 残る人間のユニークな特異性は好奇心だけ??(・・・これって、今の画一的学校教育ではむしろ退化している??)

世の中の仕組みが変化していくスピードも加速度的に早くなっているので、AIの最前線のその先で何が起きているのか、常に意識を置いておかないと、振り落とされそうです・・・。

 

[参考図書]

   

[参考YouTube(AIに関しては28:45くらいから)]


~激論!AI時代の幸せな生き方とは?!~ 出:田原総一朗 堀江貴文 ほか

 

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ビジネスモデルと組織文化の関係

世界的に成功している複数の企業に勤めてみて、そのビジネスモデルには組織の文化・背景が深く関係していることを感じました。

 

私が最初に勤めた企業は、アメリカ系の日用品メーカーでした。主に扱っていた商品は、洗剤や紙おむつといったキャピタル・インテンシブ(工場のラインなどの初期投資が大きく、数十〜数百億円かかる)のカテゴリーでした。

したがって、商品を売る前に将来5〜20年にわたるビジネスポテンシャルを事前に綿密に精査する必要があります。また、工場のラインや原料の購買にスケールメリットが効きやすいので、仕様の世界共通化が求められます。そのため、意思決定に至るまでのプロセスの世界標準化が必要があるとともに、組織の人間の考え方・価値観・ビジネスに対するアプローチの仕方などが標準化される必要がありました。

移民国家であるアメリカ発祥の米系企業での仕事は、概して合理的かつ論理的に進められます。また、この企業は基本的に新卒を採用して育てていく(中途採用は基本的に行わない)ことを組織戦略としていました。これらは、キャピタル・インテンシブなカテゴリーにおいて、非常に大きな強みとなっていました。

 

私が次に努めたのはフランス系の化粧品メーカーでした。化粧品業界というのは、基礎技術に関しては世界標準及びスケールが重要となります。一方で、製造に関わる初期投資が比較的少ないため参入障壁も低く、市場のプレイヤーの数も大きいので5%のシェアを超えるとトップブランドになることができます。これは、3〜4のプレイヤーで市場を独占している紙おむつなどのカテゴリーに比べて、化粧品はより限定的な消費者に熱狂的・圧倒的に好まれるエッジの効いた商品である必要があるということです。

そのため企業としては、日々移り変わるトレンドや各地域・国の特異性により深く迅速に対応することが求められます。したがって、その戦略・プランを生み出す組織には、感度の高い多様性に富んだ人材が必要となります。また、「美」という数値化しにくいものを、迅速な意思決定を持って進めていくビジネスプロセスが必要となります。

フランス企業の強みは、その「美」に対する感性とともに、トップダウンの意思決定にあります。これは、ともすれば末端で働く人間にとっての分かりにくさ・不透明さと感じられることもあるのですが、化粧品業界で成功するための大きな成功要因となっていました。

また、経験者を多く中途採用することで、組織の多様性を促進し、また業界最先端のトレンドを組織に取り込むことに勤めていました。

 

この2つの企業の組織文化は、真反対と言っていいほど異なっていました。しかし、それぞれの業界において成功するための要素を見事に備えていたわけです。他の業界であれば、おそらく今ほどの成功は収められなかったと思います。

組織の文化や背景というものは、一朝一夕で簡単に変えられるものではありません。だからこそ、自社の文化・背景を深く理解し、それに根ざした戦略を根幹とするビジネスモデルを構築していくことが大切なのだと感じました。

 

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変化を求め続ける:20年 x 5ステージの人生

人生設計・キャリア設計を考える上で念頭に置いているのが、100歳まで生きることを前提とした「20年 x 5ステージ」という人生の捉え方と、「100人に1人の3乗=100万人に1人」という希少性の考え方です。

 

1)100歳人生を前提とした20年 x 5ステージの人生設計

食生活や医療の改善によって、今の20−40代の人の平均寿命は100歳近くになると言われています。さらにインターネットの普及によって、知識やスキルの習得に必要な年数が激減しました。

これによって、就業可能年数が長期化するとともに、1年にできることの密度も昔に比べて数段高くなっています。つまり、以前なら1つのことをやり遂げるのが精一杯だった人生が、1つのことでは終わりきれない人生になっていると言えます。

このことから、私は自分の人生を20年 x 5ステージ、つまり0〜20・21〜40・41〜60・61〜80・81〜100歳という形で捉えています。ということは、不惑と言われた40歳になっても、それは前半の2ステージが終了しただけで、残り3ステージを残しているということです。

 

2)100人に1人の3乗=100万人に1人という希少性を達成する

一方で、知識やスキルを短期間で習得できるということは、年数を基にした経験値が差別化の要因になりにくいということでもあります。むしろ、新しい知識を習得した若い世代の方が、40代の中高年世代よりも市場価値という意味ではアドバンテージを持つことも珍しくありません。今の若い世代も、そのさらに若い世代に対して同様のジレンマを抱えることになるので、これはこれからの将来、世代に変わらず共通する課題となります。

この課題に対する解答の一つが藤原和博さんがおっしゃっている、3つの分野で100人に1人の人材になることです。まず20代にベースとなるスキルを身につけ(藤原さんの場合は営業)その後そこから半歩踏み出した分野でも100人に1人の人事となり(藤原さんの場合は組織運営)、最後に最初の2分野からできるだけ離れながらも意味のある3歩目を踏み出す(藤原さんの場合は公立中学校の校長先生)というものです。こうすることによって、希少性のある100万人に1人の人材となることができます。希少性は需要と供給の論理から、その人の稼ぐ力にも直結します。

 

学校の期間を除くと、実労働可能期間は残り4ステージの80年。第2ステージ(21〜40歳)で最初の2分野で100人に1人(=1万人に1人)の人材となり、その後自分の興味や市場のニーズなども踏まえて3歩目を踏み出す。その辺りで、できれば会社に依存しない生き方へとシフトをずらしながら、第4ステージを迎える。こんなふうにすると、生涯、自分のやりたい仕事の従事しながら、求められる人材であり続けられるのではないかと思います。

 

[参考図書]

  

 

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